6月25日(日)に大阪市港区で行われたシンポジウムに、臨床哲学を専門とする西川勝さんの対談相手として参加させていただいた。
「分からん方がいい」
著書も拝読していざ向かった打ち合わせのなかで、私は西川さんのこの言葉に、これまで散らばっていたピースがピタッと重なった感触を覚えた。「分かった気になったことほど、すぐ忘れる。分からん分からんって考えていることの方が、結果、ずっと考えていくんだから」と言うニュアンスだったと思うが、「分かりたがり」で「分からせたがり」な私にとって、この言葉は、憑き物を落とすくらいのインパクトがあった。
この感じを引き出すのが、私の役目だろうと対談に挑んだ。
このシンポジウムは、子どもの居場所作りをしながら、社会に向けてSOSを発信されている(と私は感じている)NPO法人ゆらゆらの代表の溝口さんによって開催された。彼女は子ども命の最前線に立って、子どもたちのそばに寄り添いながら「大人の価値観を変えないことには、子どもたちは救われない」とこのシンポジウムに踏み切られた。
私はもちろん共感はしたが、むしろ「大人の価値観を変える」なんてことはきっと無理だろうと思っていたので、その目的にというよりは、その挑戦を見守ろうと思っていたところに、声をかけていただき、冒頭に紹介した対談に至った。
もちろん、この1回で何か成果を、と言う趣旨ではなく、こうしたシンポジウムを続けて、多くの、特に当事者意識のない大人にこそ届けたいと思っておられるのだろうけれど、
結論、私はこのシンポジウムのご縁で西川さんに出会い、価値観を変えられた。そう、大人だってまだまだ変われる。
私が、大人が諦めたら、そこで試合終了だろ。
溝口さんの大きな挑戦に立ち会えたことを心から光栄に思います。